トレーニング用語辞典ssk-japan

筋力トレーニング・スポーツ栄養学・スポーツ医学に関する用語の解説

◆インナーマッスル(もくじ)

◆インナーマッスルとは?深層筋と表層筋

インナーマッスルとは、

●筋肉の内部

●関節の深層部

に細かに繋がる筋肉群の総称である。

深層部分に配置されている筋肉郡を指すことから

●深層筋

と呼ばれる事でも知られている。

一般的な筋力トレーニングでは、深層筋に対して外側面にある筋肉である「表層筋」のトレーニングが主力となるため、インナーマッスルのトレーニングではインナーマッスル用の専用トレーニングプログラムが必要となる。

◆インナーマッスルの働き

人体の関節の深層部に位置する筋肉であるインナーマッスル。

このインナーマッスルは主力の働きとして関節の固定という重要な働きを持っている。

一般的によく知られている、例えばちからこぶにあたる上腕二頭筋(じょうわんにとうきん)などの筋肉は、アウターマッスルと呼ばれる筋肉で、人体活動における主に強い力を発揮する際に必要となる筋肉である。

対して、インナーマッスルは

●細かい動き

●すばやい動き

を行う際に主動筋として働く、繊細な動きには不可欠な筋肉となっている。

また、日常生活の強い意識を必要としないが不随意筋に分類されない、「さりげない動作」などもインナーマッスルの働きが不可欠となっている。

◆インナーマッスルトレーニングのプログラム構築ポイント

インナーマッスルトレーニングでは基本的にハードなウエイトを使用する筋力トレーニングではなくダンベルやバーベル、そしてチューブを使用したトレーニングが実践される。

これはインナーマッスルを鍛える際は高負荷トレーニングが適してない点が挙げられる。

前述したように強い強度を必要とするトレーニングでは表層筋と呼ばれるアウターマッスルが鍛えられる事になる。

その為、インナーマッスルトレーニングでは

●低付加・高回数

のトレーニングを中心にプログラムを構築する必要が出てくるのである。

これは例えインナーマッスル用のトレーニングプログラムであってもヘビーウエイトを使用する事でアウターマッスルの強化メニューへと性質が変化してしまう事を意味する。

このインナーマッスルトレーニングの基本ポイントはしっかり把握しておくべき重要項目である。

監督や指導者がインナーマッスルを強化する目的でメニューを組み込んでいく場合は、選手・生徒がプログラムに飽きがきていないか?

勝手に負荷を高めていないか?という点について注意深く観察していくことが重要である。

目的を理解し、負荷をもし高めるのであればそのタイミングを計り、本当に負荷を高める必要性が存在するのか?それともメニューに変化やアレンジを加えてモチベーションをキープさせるべきなのか?という判断基準を明確に定めておくと良いだろう。

余談だがプロのトップアスリートであってもインナーマッスルの強化プログラムではヘビーウエイトを使用することはない。

尚、代表的なインナーマッスルトレーニングとしては

●チューブトレーニング

●タオルシャドー

などのトレーニングがあげられる。

◆インナーマッスルのリハビリ効果

インナーマッスルは、

●スポーツ医学

の現場においても、急速に認知度が高まりつつある言葉である。

これは、インナーマッスルの働きが日常生活動作において主力として働く筋肉となっていることにあげられる。

例えば多くの方が加齢とともに体験するようになる「肩こり」などの代表的な症状も

●棘上筋

●棘下筋

●小円筋

●肩甲下筋

などで構成されているローテーターカフ(回旋筋腱板)の柔軟性不足が要因となって肩こり症を発症している可能性が確認されてきているためである。

前述したようにインナーマッスルトレーニングの基本は「低付加・高回数」が基本となっている。

そのため、高齢者でもトレーニングを行うことが可能であり、

●リハビリテーション

のメニューとしても積極的に取り入れられ始めているのである。

◆インナーマッスルを知るには関節の構造を知ること

インナーマッスルについてより深く学ぶには、筋肉と関節の仕組みを把握しておく必要がある。

多くのスポーツで重視されている肩甲骨周りのインナーマッスル。

この肩関節のトレーニングに関しても、肩関節の構造を理解した上でトレーニングを行っているアスリートは非常に少ないのではないだろうか?

お勧めの書籍はインナーマッスルトレーニングを主体とし、現在鍛えている部位の構造や筋肉の構成、そして関節の動きを初心者向きに図解で解説している木場氏が執筆した書籍。

安価でありながら画像が多く組み込まれておりメニューも多様であるため、インナーマッスルの鍛え方を基本から学ぶ事が可能。

競技練習とは別に自宅でフィジカルトレーニング等の実践を検討している方や、子供の自主トレメニューの構築の際に、より質の高いメニューが初心者でも構築できる入門者向きのマニュアルとして理想的な構成である為紹介しておく。(著者はサッカーの長友選手のパーソナルトレーナー)

◆野球選手の肩の消耗

野球選手の中でも投手(ピッチャー)の肩は消耗品と呼ばれるほど消耗が激しい。

これは、投球の度に、筋細胞が部分断裂を起こすことが原因にある。

通常、筋肉の細胞組織は、破壊されると回復をおこし強化される。

この人体の仕組みがいわゆる超回復という現象である。

しかしプロ野球の投手となると

●中4日~5日

間隔で次の登板の機会を迎える。

メジャーリーグは基本中4日であるが、渡米を果たしたダルビッシュ投手の課題もこの登板サイクルの違い、年間ペースを体で把握する事がひとつの課題となっている。

尚、中継ぎ投手や、クローザーともなると、登板の機会は更に増えることになる。

このようなケースでは、

●投球動作によって破壊された筋細胞組織

が回復できないまま登板を向かえるケースも出てくることとなる。

こうして投手の肩の消耗はより激しくなるのである。

実際にシーズン前とシーズン後半の投手のインナーマッスルを比較すると

●回旋筋腱板の厚さが数ミリ減少しているケース

が多く見られるのもこの筋肉細胞の消耗が原因にある為。

投手の肩は消耗品とも呼ばれるが、その背景にはこのような筋細胞の収縮現象が実際に発生している事実が存在する為なのである。